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2010.01.05 (Tue)

開化の潮流の中を生きた人

                            1月5日は

今日は1月5日。 ちょうど大正生まれの私の父の誕生日でもあるが、
「この日は、えーっと、どんな人の関連した日かしら?」と、例の本を開いて見た。
暮れに職人Мが買ってきた、桑原武夫の「一日一言」の本だ。
あれから、この本を楽しみに毎日開いて見る私。
今の時代を生きていくのに、何かしらのヒントを、また話題を提供してくれる。
何が出てくるかわからない。全然関心のわかない人の日もある。
毎日、開いたページのわずか四分の一のみ。とても短くてほんの一言だから、
この分なら 飽きっぽい私でも、結構続くかもしれない。

それによると、今日は、文豪、夏目漱石の誕生日であるという。
夏目漱石は、先のNHKドラマ「坂の上の雲」にも正岡子規とともに登場した人物。
明治・大正の激動の時代を生きた人物だが、生まれは慶応3年となっているから、
先日の寺田寅彦よりも、
明治維新の文明開化を身をもって経験し、その大きな変革期に青年期を過ごした人物だ。
たまたま開いたそこにも、そのことが書いてあった。

  日本の現代の開化を支配している波は西洋の潮流で、
  その波を渡る日本人は西洋人ではないのだから、新しい波が寄せる度に
  自分がその中で食客(いそうろう)をして気がねをしているような気持ちになる。
  新しい波はとにかく、今しがた漸(ようや)くの思いで脱却した旧い波の特質やら真相やら
  わきまえるひまのないうちに、もう棄てなければならなくなってしまった。
  ・・・・こういう開化の影響を受ける国民は どこかに空虚の感がなければなりません。
  またどこかに不満と不安の念をいだかなければなりません。
  ・・・・我々のやっている事は内発的でない、外発的である。これを一言にしていえば、
  現代日本の開化は皮相、上滑りの開化である。
            (現代日本の開化)   
            と、ある。

先日の寺田寅彦と同様に、明治以降の西洋化の荒波を幾度となく繰り返し受けながら、
西洋一辺倒の潮流に、文学者らしく抵抗し、危惧の念を持っていたことがわかるように思った。
                                      
                                        職人K
  
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