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2009.12.14 (Mon)

今日の日野山(795m)

日野山1

冬にしてはのどかな日の、今日の日野山。
こちら福井県の越前市(旧、武生市)にそびえる、「越前富士」と呼ばれる山だ。
わずか795mにて、奥越の山々から見れば標高は大したことはないが、
はるか日本海の越前海岸沖からも見えるという独立峰にて、
昔から沖を走行する船の位置の目印になったのではないかとも言われている。

12月、暮れも半ばにさしかかっている。
もう雪がいくらか降ってもおかしくはない季節だが、
この日野山にもまだ雪はない。

かつて昔の平安時代、京の都から、越前の国守に任ぜられた父にともなわれて、
紫式部がこの武生にきたことがある。 式部23歳の頃という。
そして、式部もまた、この日野山を眺めていた時がかつてあった。
武生に、越前国の国府が置かれていた時代だ。
当時、越前国は能登までも及ぶ大国。
しかしながら、京の都から比べれば、雪深い辺鄙な田舎にて、紫式部にとっては、
越前国での滞在は、決して楽しいものではなかったらしい。
その思いが、いくつか歌に詠まれている。 その中のひとつ、

  こゝにかく 日野の杉むら 埋む雪 小塩(をしほ)の松に 今日やまがへる
 (ここに このように日野山の杉を埋めるように降っている雪。
  京の都の小塩山の松にも今日は雪が降っているのでしょうか)

何かにつけて都のことを想いうかべて、望郷の念にかられていたようだ。
洗練された京の都から見れば、雪は過ぎるほど降って、
田舎の暮らしはさぞやつまらなかったことと想像される。

                     京都
                                     京都御所横、烏丸通り
先日、久しぶりで京都の街中まで出かけてきた。
街中のイチョウ並木も黄色い葉が残り少なく、落ちかかっている最中だった。
京都の街中は、さすがに美しく洗練されてはいるけれど、車も人もあわただしく動いていた。
田舎でのんびり暮らしている者にとっては、
烏丸三条、四条あたりは、やはり大都会。人ごみの中を歩くだけで、すっかり疲れてしまった。
こちらへ帰って、遠く日野山を望むと心がなごむ。 ホッとしてくる。

私が今、京都に1年も2年も滞在して、京の都から西の小塩山を望んだならば、
式部と同じように、この越前の国の日野山を思いうかべたりするだろうか。
きっと、そうなると思う。 若い時とは今は違う。

穏やかで、それでいて孤高の趣の、日野山を見ながら、そんなことをふと思った。

                                       職人K

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