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2007.07.24 (Tue)

孤高の人

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新田次郎の小説に [孤高の人] というのがあります。
昭和初期の社会人登山家、単独行と言う言葉が有名になった、加藤文太郎をモデルとした実話に基づく小説です。
山歩きをする人なら 一度は読まれたことがあるかも。
主人公は 仕事の上でも また登山においても 文字どおり他の人より抜きんでいた、孤高の人でありました。
いつも高い目標をかかげ、また強靭な意志の持ち主でした。
 トレーニングのため 通勤のたびに何キロかの石をリュックに詰めて歩いたり、
技師としての仕事においては創意工夫をこらして破格の出世、認められてもいます。
小説の中では 孤独な面も描かれていましたが 群をぬいて抜きん出ているがための孤独かもしれません。
秀でた人はつねに孤独です。結婚してからは また山とのかかわりも変化してきます。
最後は いつもの単独行ではなく はじめて人と組む登山でしたが そのためか 心ならずも冬の山で最期となる、、、という小説です。

 私の心の中に この小説を思い出してしまうような、そんな人があります。
若いときにはかなりの勉強をされたはずで、難関の金融スペシャリストとして活躍。
こういう時代、うっかりしていると 逆に訴えられる世の中になったんだ、といつも言われ、
絶えず勉強、実務の繰り返しのような かなりの激務の日々のようでした。
 そして休日には これまた 山で元気をもらうんだ、と言って 肉体をぎりぎりまで使った、超人的な山登りに見えました。持って行くものはおにぎりのみ。何十年前の体型をいつも維持。
ほとんど県内の山は踏破されたのではないでしょうか。低い高いを問わずに。
その上り下りの足の速いこと。2回ほどご一緒させてもらいましたが びっくりでした。
 たまに夫婦で行く以外は ほとんどが単独行。
いつも分単位のスケジュールで その記録の綴りは 正確な文字で記されていてまるで会計帳簿のよう。
いつどこで質問されても監査OKというような記録でした。
 当時私は 2003年国家破産という話題の本が気になっていて 専門家の意見が聞いてみたくて何回か話題にしたのですが
いつも [ ほーっ ]ってニヤニヤして それは大変だ、と言われるばかりでした。
 凡人の話にも いつも真剣に取りあってくださり 仕事はどうか、注文ははいっているか、と心配してくださったり
何より多くのことを教えていただきました。
また ひょうきんで シャイで 何よりもハンサムな素敵な方でありました。

 「山で私を呼ぶ時はいつも笛をぴーって鳴らすんですよ、あきれてしまう。}って言いながら 
そのことをとっても気に入っているんだな、といつも思う、夫人がいつもそばに、 お似合いのご夫婦でした。

 そんな私たちの尊敬する人が この春に あまりに突然に病にたおれ、旅立たれてしまいました。六十歳でした。団塊の世代の人でした。
このことで 私たちにまた 身をもって多くのことを またまた教えてくださったような気がします。
そしてはやくも百日が過ぎてしまって 昨日 大事に育てられた百合の花を 夫人が持って来られました。
大きなカサブランカの つぼみの花です。

職人K
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