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2021.02.25 (Thu)

鉛色

むかしの事ですが 私が学生の頃 美術作品と言ってもいいのかどうかわかりませんが 作っていた頃がありました。
といって 絵を描くのではなく いろんな素材を使って 組み立てたものでした。

よく使っていた素材に 鉄 とか銅とか 鉛を使っていました。
私には こんな無機質な素材が 心地よい素材で 重さといい 色といい それだけで 存在感のあるものでした。
鉛板


先日 掃除をしていたら 昔持っていた 鉛の板が出てきて 思わず 触ってみたり 眺めたりしていました。

鉛色について 
福井は雪の多い地方で 冬になると雷が鳴って 霰や雪が降ってきます。
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空の雲は 重い灰色で 日が短いのに 日照時間が少ない 暗い日々が続きます。
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外に出ると 雪があって 雪が多いと 雪を楽しむ気持ちにはなれません。
しかし 鉛色の空を見ていると 北陸は やっぱりこの色が合うのかなと思ったりします。

メガネが福井に根付いたのも 雪国で何も産業のない福井で 家にいてできる仕事という事で 大阪に行きメガネ作りの技術を持ちかえり メガネを作り始めたと聞きます。
寒村の福井で家内工業で始まったメガネ 鉛色の空の下 雪の中でもできる仕事 という事で 何か暗いイメージを持ってしまいます。

そんな風土に育った私には そのせいか 鉛色は落ち着く色です。 


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私の作る メガネでも アンティックシルバーとか 黒ルテニウムという 濃いグレー 使い古したようなグレーの色があります
これらの色も また 鉛色に近い色で 存在感があります。
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今回 作った12角形の縄手のメガネは 鉛色を感じさせる 鈍い色です。

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歳をとると 昔は光沢のある銀だったが 歳とともに 燻したような くすんだ色になるのは 人間もまた同じかもしれません。
むかしは いぶし銀のように 歳をとりたいと思っていましたが いつの間にか きれいな燻し銀ではないけれど くすんできました。

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鉛と銀は 雲泥の差がありますが 私は いぶし銀より 無口な鉛の方に 魅力を感じます。

パブロ・カザルスの 演奏を聴くと チェロの音が 他のチェロを弾く人に比べて いぶし銀のような深い音色を感じます。

バッハの無伴奏チェロ組曲は カザルスがバルセロナの楽譜店でバッハの無伴奏チェロ組曲と出会い、10数年の研究を経て1904年に初めて公開演奏を行なったという 曲らしいのですが 演奏の中で唸るような彼の声を聴くと 単なる音以上に 迫ってくるものを感じます。長い曲なので 途中までお聴き下さい。


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