FC2ブログ
2021年04月 / 03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月
2021.02.15 (Mon)

めがね と 民藝

 先日 私が入院している時 土井善晴 さんの「料理と利他」という本を読んでいました。
料理と利他

  土井善晴 中島岳志共著「料理と利他」

以前から 土井さんのいう 一汁一菜という言葉が気になっていて 具たくさんの味噌汁 がいいなあと私も実戦していましたが 気になっていた本だったので 買いました。

これは 中島岳志さんという 東京工業大学の教授で日本政治思想などが専門の人とのコロナ禍での オンライン対談です。

その中で 土井さんという方は料理研究家ですが 料理のレシピというより 自分の身の回りの食材で 作る料理を推奨されている方で 従来の窮屈なレシピではなく 一見アバウトな作り方ですが 理にかなった料理を教えてくださいます。 

63036046.jpg

  土井勝 著 「土井勝の家庭料理」
彼のお父さんは 料理研究家出有名な土井勝さんです。

善晴さんもまた 若い頃はフランス料理を学び また日本の有名料理店で日本料理を修業された方ですが なぜ家庭料理になったのかという事に 興味を持っていました。 

河井寛次郎記念館

  
彼はある日 京都の河井寛次郎記念館に行き その空間がっても心地よいことに気づき それはなんだろうと思っていたら 美しいものは逃げて行くが 淡々と真面目に仕事をすること 自分が生活することで美しいものは あとから ついてくるんじゃないか と 思ったそうです。

 これは 河井寛次郎 浜田庄司らの「民藝」運動の精神だと気づき プロの料理人を目指していた土井が いつも下に見ていた家庭料理にこそ 美しい世界があるのではないか これもまた 「民藝」ではないかと 発見したそうです。

柳宗悦

           柳宗悦 

河井寛次郎

   河井寛次郎

民藝とは 1926(大正15)年に柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動です。当時の工芸界は華美な装飾を施した観賞用の作品が主流でした。そんな中、柳たちは、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美術品に負けない美しさがあると唱え、美は生活の中にあると語りました

工業化が進み、大量生産の製品が少しずつ生活に浸透してきた時代の流れも関係しています。
手仕事の製品は 工業製品のように垢抜けていないようにも思えますし 野暮ったい感じもあります。 
これを 不良品と受け取るか 手仕事の手の跡としてとらえるか それは 使う人の受けとめ方だと思います。

竹めがね

  煤竹のテンプルのメガネ
私もメガネについて 大量に作られていくメガネですが その中で 一つひとつ作っている メガネは どれも同じものはないし 一緒なものは作れません。 

marumegane.jpg


時代に逆行していることに 私自身 いつも それが不安で もっと量産的に作れたらどんなに楽だろうし いちいち寸法を測らずに済むので 良いだろうと思っていました。

しかし 土井さんの本で 民藝の話が出てきて なるほど モノを作るのに 毎日の生活のために使う道具として 作るわけだから 淡々とそれに応じて作ることで良いのではないかと思いはじめました。 

黒檀めがね

  友人の作った削り出しのカップとともに 黒檀のテンプルメガネ

手作りのメガネは どうしても 手の跡というか 完璧に工業製品のようにできない事もあります。
このような 私の作るメガネは 自分なりの 「民藝」としてのメガネではないかと思うようになりました。

過去には メガネを作る仕事で ひと月に1万枚くらい作ることもありました。 
しかし使う人の事を思わずに ただ設計図に従って メガネの問屋 商社の注文で作っていました 。
その時は いくら売り上げて どれだけ儲かったかという事が仕事でしたが メガネを作る喜びというものはあまり感じませんでしたが 現在のように 一つひとつ作ることで 工業製品から 手工業製品になってきた感じがします。
12kaku.jpg

  それぞれに 合わせて作るメガネ

「民藝」という言葉は知っていましたが まさか自分のやっていることも 知らず知らずのうちに 「民藝」を目指しているのかなという気持になります。

今日は あるコマーシャルで出ている 土井善晴さんの 料理教室を  ご覧ください
EDIT  |  00:04  |  日記  |  Top↑
 | BLOGTOP |