2009.12.23 (Wed)
桑原武夫、「一日一言」

古本ショップから、職人Мが本を買ってきた。
4、5冊あって、どれも50円から100円。しかもほぼ新品。
その中の一つ、桑原武夫編の「一日一言」-人類の知恵ーが私の目をひいた。
1956年初版から66冊発行。こんな本はもう店頭には無いのではないだろうか。
人類の歴史は、偉大な行為を成し遂げた人々の英知にかがやく言葉によって飾られているが、
そうした「人類の知恵」ともいうべき名言を偉人の生没日にあわせて配列してあり、
366日分、毎日一つずつ読んで味わえるようになっている。
なるほど日記のように、毎日その日のところを読んでいけば、一年分たっぷり味わえる人生読本。
しかも、繰り返し読めば良いから、何年たってもエンドレスに味わえるというもの。
それぞれに偉人の肖像も入っていて、とても興味深い。とっても楽しみ。
職人Мは、良い本を見つけ出してくる、とつくづく感心。
こんな素晴らしい本がたった100円で販売されているのもラッキーだったが、
何かさびしくもなってくる。こういうご時世なのだと思う。
早速、今日12月23日のところをひろげて見た。
この日は、昆虫学者ファーブルの生まれた日。
独学で教員免状をとり、昆虫の生態研究に没頭した人物。
大著「ファーブル昆虫記」は文学的にも優れているというが、
大臣はいいはった。「、、君は、明日私と、学者の御拝謁で、陛下のところに行くのだ。」
彼の思うとおりにことは運んだ。あくる朝、大臣といっしょに私は、短い半ズボン、銀環の靴を
はいた式部官に案内されてチュイルリー宮殿の小室に通された。彼ら(廷臣たち)は奇妙な人物
だった。あの装束と四角ばった物腰、歩きつきは、しょうしの代りに背の中央に棒縞のある乳入
りコーヒー色のフロックコートを着こんだ、タマコガネムシのように見えたのである。
(昆虫記)
なるほど、ファーブルなら何を見ても、昆虫分類の能力が働くものなんだったんだろう。
フムフム、、という具合。
知らない人物もたくさんあるが、毎日、その日のページを見ていこうと思った。
職人K
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